シニア住宅で実施している
ロコモ予防運動プログラムが
10周年を迎えました
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グランクレールにおける
ロコモ予防運動プログラムとは
グランクレールでは2015年より「ロコモ予防運動プログラム」を実施してきました。
ご入居者の健康維持に貢献するとともに、順天堂大学との連携によりデータを分析・研究し、
成果の社会実装を目指す取り組みが、このたび10周年を迎えました。
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順天堂大学大学院
スポーツ健康科学研究科監修 -
※グランクレール成城 外観
全シニア住宅
17住宅で実施中 -
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年2回の体力測定会で
個人のデータ分析を
フィードバック
ロコモとは?
ロコモティブシンドロームは
要介護の入口?
ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome:運動器症候群)(略称ロコモ)とは、立つ、座る、歩くなどの基本的な動作に必要な身体の筋肉や骨、関節、神経などが衰えて、移動機能が低下した状態をいいます。筋肉量が低下するサルコペニア、変形性関節症など関節の障害、骨が弱くなる骨粗しょう症などがロコモの原因となります。
「最近、歩く速度が遅くなった」「姿勢が悪くなった」などの変化を感じたら、ロコモの始まりかもしれません。ロコモを防ぎ、いつまでも健康で自立した生活を営むためには、「動けるからだ」を維持することは不可欠です。

インタビュー
ロコモ予防運動プログラムについて、専門家・スタッフ・ご入居者にそれぞれインタビューを行いました。
ロコモ予防運動プログラムを通じて起きている変化
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4年間の運動教室の参加回数と下肢筋力の変化率の関係
運動教室の参加回数が多いことと、
下肢筋力の結果の改善には関係があります。平均年齢約85歳の入居者の方々を対象にした調査で、運動教室への参加回数が多いほど、4年後の下肢筋力が向上していることが証明されました。90歳近くになっても、筋力を鍛え、動けるからだづくりに取り組まれています。(※縦軸の100%は2015年の下肢筋力を示す。)1年間に100回、おおよそ週2日の頻度で運動教室に参加された方々では、4年前よりも50%以上の筋力向上が認められた方がいます。
10年の間には、身体機能だけでなく脳健康度のチェックも開始して、参加者にフィードバックしています。貴重なデータは脚の筋力と認知機能の関係についての研究にも活かされています。上の図は、あるご入居者の下肢筋力の測定結果です。一度入院され、一時下肢筋力の数値が低下されましたが、長年ロコモ予防運動プログラムを継続して取り組まれていたため、8回目の測定時には入院前と同程度に数値が回復されました。
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10年で素晴らしい成果が実を結んでいます
順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科教授・医学博士町田修一
体を動かすための最大の原動力は、「骨格筋」です。この骨格筋は、何もケアしないと少しずつ衰え、動きづらくなってしまいます。そこで、「ロコモ予防運動プログラム」などを取り入れることで、骨格筋がしっかりと維持され、体が動かしやすくなります。実際に継続して参加されているご入居者のお話しを伺うと、「自分で歩ける」「階段の上り下りもできる」など、ご自身で体の状態を理解し、好きなように体を動かすことができることを実感されている方が多くいらっしゃいます。その姿を見ると、本当に素晴らしいことだと感じます。
最終的には、「体を動かすこと」で「脳の認知機能」を維持していただきたいと考えています。これまでの研究から、歩く力や体を動かす力と、認知機能には関係があることがわかっていましたが、実際にグランクレールで測定したデータを分析したところ、特に女性においてその相関関係が顕著に見られました。まだ因果関係までは完全に解明されていませんが、認知機能を維持するのには、体を動かすことがとても重要です。そして、体を動かし続けるためには、正しいトレーニングと日々の心がけが欠かせません。その意味でも、10年前から続けてきた取り組みが、確かな成果となりつつあります。つまり、「歩く力」や「認知機能」は、何歳になっても維持できるということが、証明されつつあるのです。実際に90歳を超えても、10年前と同じ、あるいは10年前よりも良い記録を出されている方もいらっしゃいます。これは本当に素晴らしいことで、私たちにとっても大きな喜びです。
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10年間継続することでたくさんの貴重なデータが集まっています
株式会社東急イーライフデザイン ロコモ予防プロジェクト担当
順天堂大学 協力研究員 博士(スポーツ健康科学)大野佳南子グランクレールの「ロコモ予防運動プログラム」は、順天堂大学の監修のエビデンスに基づくプログラムであることが特徴です。ただ運動を行うだけでなく、定期的にデータを測定して「見える化」し、お一人おひとりにその結果をフィードバックしています。脳の健康度についても身体機能と一緒にフィードバックしています。
また、ご本人に同意が得られたデータを科学的に分析し、研究に使わせていただいています。最初は「グランクレール藤が丘」1住宅でスタートし、今は17住宅まで広がってきました。一部のスタッフだけではできることではありませんので、住宅のスタッフを含めて多くのスタッフがロコモ予防プロジェクトを理解し、一緒に研鑽を積み、もちろん参加してくださるご入居者をはじめ多くの方の努力があって10年間続けてこられたのだと思います。
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その日の状態に合わせた丁寧な対応を心がけます
株式会社東急イーライフデザイン ロコモ予防プロジェクト担当藤牧奈峰
「ロコモ予防運動プログラム」は主に下肢の筋トレになりますので、生活動作にかなり結びついたプログラムになっています。太もも、ふくらはぎ、体幹といった、歩く、立つ動作に必要なピンポイントの筋肉に特化したトレーニングなので、動きは一見地味に見えますが、このトレーニングが生活のどういう動作に結びつくのかを事前にご説明して納得をしていただくように心がけています。
その日によって、ご入居者の心も体も状態が違いますし、お一人おひとりの状態も違いますので、毎回、始まる前に「今日はどうですか」というお声がけをして「今日は腰が痛い」と言われれば、「この動きをしますが、無理をしないでくださいね」「ご自分にあった回数、負荷で行ってください」などと軽減することもお伝えします。マニュアルも、立って行うのが難しい方は座位で行っていただくなどの対応ができるように工夫をしています。
ロコモ予防運動プログラム教室に続けて参加されている方は「立ち座りがしやすくなった」「ゴルフカートに乗らなくても歩けるようになった」など、皆様大なり小なり変化が出てくるので、それが自信につながり、生活が楽しくなる方が多いようです。住宅スタッフからも「表情が明るくイキイキされるようになりました」という言葉をよく耳にし、とてもうれしく思っています。
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「継続は力なり」。これが結果にも証明されています
ご入居者 I様
とにかく長生きするには元気でなくてはいけません。写真撮影が趣味なので、たくさんの機材を持って山に登るためには、まず足腰が大事だと、66歳でリタイアしてからすぐにウォーキングを始めました。ひたすら「元気でいたい」という一心で、「ロコモ予防運動プログラム教室」にも9年以上、1回も欠かさず参加しています。
スクワットなど、以前は自己流で膝を曲げて下までしゃがめばいいと思ってやっていましたが、膝は前に出さずに腰だけを落とさないと大事な筋肉が育っていかないと、正しいやり方を教えていただきました。それがこの教室のいちばんの成果で、おかげで下半身の筋力がついてきました。教わった正しいやり方に沿って自主的に運動を継続することがいちばん大事です。「継続は力なり」。これが結果にも証明されていると思います。
また、グランクレールでは食事に関する栄養管理もしっかりしてもらえますので、食事、運動と整った環境をうまく利用して、体調管理に気をつけています。そうして心身の健康ができつつあるということは、ありがたいことだと思っています。
同じ生きていくなら、この先も好奇心を持ち、明るく生きていきたい。趣味の写真撮影や色々なことを自分でやっていきたい。そういう意味では今、体調が良くて、心は明るいですね。「いつまでも元気でいたい」という思いは変わらずに持ち続けています。
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元気でいられるのはロコモ予防のおかげ。周りの人に感謝の日々です
ご入居者 I様
体を動かすことが好きなので、「ロコモ予防運動プログラム」が始まった当初から率先していつも参加しています。おかげで一度入院した後も歩くことができています。「今日は上がれる、今日は調子が悪い」「ここまでは大丈夫だ」と自分の健康を自覚できるのもロコモ予防のおかげ。その意味でも続けるようにしています。
スタッフの方が「すごいですね」「できていますね」と声をかけてくださると、「うれしい。自分はできるんだ」と思えて勇気づけられます。それでますます頑張ろうと思うんです。
以前は食事もあまり食べたくなくて、一人だから食べなくてもいいと思うこともあったのですが、ロコモ予防運動プログラムをするようになって栄養のあるものを食べるようにしたり、自分なりに考えて牛乳だけは飲んだりということがだんだん高じてきました。食事も美味しく食べられるようになり、とても元気になりました。そして健康になると、心も自然に明るくなりますよね。
東急イーライフデザインは、
さまざまなサービスで
シニアの健康維持を
サポートしています
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ホームクレール
「ホームクレール」は地域に根差したシニアのためのカルチャースクールです。
ホームクレールの詳細はこちら
「ロコモ予防運動プログラム」を始めとする運動系クラス、音楽、絵画など多彩な趣味や教養が身につく文化系クラスなどがあり、新たな仲間や愉しみを見つけていただくことができます。※イメージ
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ラクティブ
「ラクティブ」という名には〝Life and Active〟という意味も込められており、会員様の日々の生活をお支えする「マシンを使わない筋力アップスタジオ」です。特に対象とするのは60代以上のシニアの方で、70代、80代の方も多く通われています。健康寿命を伸ばすことを目指し、誰でも気軽に運動を始められます。
ラクティブの詳細はこちら※イメージ
※掲載の情報は、2025年3月時点のものです。